Interview

北見の地方拠点が、
全国に共通する課題を
考える実践的な場に。

株式会社ジモティー 代表取締役社長

加藤 貴博さん

地域の情報サイト「ジモティー」を運営するジモティーは、2019年に北見市にサテライトオフィスを開設した。初の地方拠点に北海道の北見を選んだポイントは、地域の熱意や北見工業大学との共同研究が可能なことだったという。社長の加藤氏は、北見で得た知見を基に、汎用性のある在宅業務のモデルや地域活性のフレームワークを作り、他の地域でも活用することを目指している。

  • 本社所在地
    東京都品川区西五反田1-30-2 ウィン五反田ビル4階
  • 道内所在地
    北海道北見市北四条東一丁目11番地 双進ビル202
  • 企業サイトURL
    https://jmty.co.jp/
  • 事業内容
    クラシファイドサイト「ジモティー」の企画・開発・運営

ー事業内容について教えてください。

「クラシファイドサイト」と呼ばれる、地域やカテゴリーを分類して、地域情報を自由に投稿できる掲示板サイトを運営しています。掲示板サイトで扱っている情報としては、個人の不用品やリサイクルショップの商品の売り買い、ゼロ円で譲りますという投稿も含めて、地域でモノを融通しあう情報が一番多く流れています。他には求人情報や不動産情報など、地域の暮らしに役立つ情報を掲載する、カテゴリーが見つかるというような地域情報サイトのサービスを運営しています。

ー北海道にサテライトオフィスを開設した理由は?

サイトに投稿された地域情報を全件目視でチェックし、カスタマーからの質問にお答えするカスタマーサポートという部署があります。そこの拡張をする時に、東京一極集中で続けていくよりも、地方に拠点を持つことによって安定性を上げるような取り組みができないかと考えました。その候補としていくつかの地域を回った上で、北見を選定しました。

ー北見に決めたポイントは?

市役所や北見工業大学の方とお会いして、地域活性に対して地域の方々が非常に積極的で、一緒にいろいろな活動に取り組める可能性が非常に高い、その熱量を感じられたのが大きな決め手でした。私自身が北海道出身ということもあって、北海道に対する地縁を感じることも理由の1つです。あとは、北海道には若干の方言はあるものの、それほどの訛りはないので、カスタマサポートの業務で安定的に人材採用ができる。これらをもとに北見への進出を決めました。

ー北見に進出する際の社員の反応は?

北見市について知っていた社員はほとんどいなかったので、私の方で北見や北海道の特徴をまとめて、興味を持つような材料を提示しました。暮らしやすそうで、自然豊かで、いいところだという印象を持ってもらうような工夫をしました。

ー北見に転勤した社員は何名でしたか?

拠点の開設で常駐したメンバーは1名です。当初から現地採用をかけて、人材育成しながら拡大して、現在はもう十数名が稼働していますが、初期に派遣した1名はすでに東京に戻って、現地のメンバーだけで運営できる状態まで成長しています。

ー北見工業大学と共同でやっていることは?

2つほどわかりやすい取り組みをさせていただいています。1つ目が研究室との連携で、我々のサービスで投稿されるテキスト内容やカスタマーからの問い合わせ内容のデータを提供して、一緒に機械学習を使ってカスタマサポートの部分的な自動化に関する研究をしています。2つ目が、エンジニアの採用を強化したいという当社のニーズから、研究室を通じて北見工業大学から2名の新卒採用をしたということです。

ー拠点を東京の外に持つことの効果は?

やはり、東京に暮らしている人間が考える地域課題の捉え方と、地方で暮らしている人間の実感は違います。北海道でも札幌以外の地域は人口減少率が高く、少子高齢化による地域課題の中でも、東京では感じづらい顕在化した課題があるだろうと思っていました。北見市役所や北見工業大学と共同で研究やサービスのテストをすることによって、北見や北海道だけではない、日本各地に共通する課題に対して、企業としてどのようにアプローチするべきかを考える実践的な場を作ることができました。北見に進出したことで、地方に拠点を持つことの有効性の高さを感じています。

ーウィズコロナ時代の戦略は?

コロナ禍への対応もあり、カスタマサポート業務に関しては、結果的に北見で作ったリモート体制を展開できるようになりました。日本全国で在宅業務ができる業務モデルを作ることには成功したので、その展開を行っているところです。コロナ禍のピンチを逆に機会ととらえて、組織の変化をさせることができたのではないかと考えています。

ー北海道でビジネスを展開するメリットは?

北見に拠点を開設した時に、社内で表彰された社員が家族を連れて北海道でワーケーションをしたケースがありますが、この際のご家族の方の満足度が非常に高かったですね。ご飯もおいしいし、自然も豊かで、東京ではできない体験ができるということで、お子さんもすごく喜んでくれたそうです。確か1カ月近くの滞在だと思いましたが、暮らしの豊かさという側面と、生活コストの安さも体感したということを聞きましたし、北海道が暮らしやすい場所であるということを社員の感想を通じて改めて感じました。

ー会社としての今後の展開やビジョンは?

世田谷区をはじめ関東のいくつかの行政と連携した、リアルな「ジモティースポット」の開設を進めています。生活の中にリアルなスポットを開設することで、そこに不用品を持っていけば誰かに譲れる、そこに行けば自分に必要なものが手に入るという、ウェブサービスの現実化です。このスポットの開設は地域の雇用にもつながります。日本全国、もちろん北海道の中でも何カ所かに作って、身近にジモティーを感じられる機会や、地域生活に直接貢献できる機会が増えるのではないかと考えています。ごみを減らすという地域課題にも繋がりますが、このような課題解決の手段を広げていくことにも力を入れていきたいですね。

Profile

株式会社ジモティー 代表取締役社長

加藤 貴博さん

早稲田大学政治経済学部卒業後、2001年株式会社リクルート入社。
広告営業、メディアプロデューサー、編集長、新規事業開発責任者を経て、
2011年株式会社ジモティーの代表取締役に就任。

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