Interview

冷涼な気候から生まれる
高品質チョコレートで、
世界をあっと言わせたい。

株式会社DADACA
代表取締役CEO

田島 慎也さん

DADACA(ダダカ)は、北海道夕張市に本社を構えるチョコレートメーカー。2021年1月に第1弾ブランド 「CACAOCAT」をリリースし、2022年2月にはシンガポールの高級ブランド「Chocolate Origin」を日本に上陸させた。代表取締役CEOの田島氏は、北海道の強力なブランドパワーを背景に、世界展開と地域貢献を見据えながら事業を展開している。

  • 本社所在地
    北海道夕張市沼ノ沢510-11
  • 道内所在地
    夕張工場 :
    北海道夕張市沼ノ沢510-11
    千歳工場 :
    北海道千歳市上長都3-6
  • 企業サイトURL
    https://dadaca.co/
  • 事業内容
    チョコレート・洋菓子の製造・販売及び店舗運営

ー事業内容について教えてください。

当社はチョコレート菓子のメーカーです。以前はベーカリーの会社を18年やっていて、新しい挑戦をしようと考えた時に、世界で売れる商品を作りたいと思ったことがきっかけです。世界に輸出しやすい商品を考えた中で、世界中で需要が最も伸びていて、どこの国でも受け入れられるチョコレートを選びました。

ー北海道に工場を設けた決め手は?

やはり、非常にチョコレート製造に適した冷涼な気候です。世界戦略の面からは、特にアジアで北海道への憧れが強いということも考慮しました。あとは、広い土地と人材です。他の地域に比べると人材が集まりやすいということもあって、北海道に決めました。

ー工場を夕張市に設けた理由は?

最初に千歳で工場を取得したのは、空港から近いところがいいと考えたからです。手狭になる前提で手に入れて、次の工場候補を考えていたときに、撤退したマルハニチロ夕張工場の建物を破格の安さで購入できるというお話があって、千歳工場のメンバーと協力すればできるのではないかということで、夕張工場を立ち上げました。

とにかく広い工場が欲しかったんです。チョコレートのメーカーには、実際の製造ラインに加えて、材料を置くスペースや完成した商品をキープしておく場所も必要です。一番の商機であるバレンタインの時期に、一気に出荷しなければなりませんから。その意味で、広大な土地や建物があることを最優先しました。

ー北海道でチョコレート製造をするメリットは?

チョコレート製造は気候にかなり左右されるので、本州に比べて気温と湿度が低い北海道は理想的な環境です。我々の基準では、チョコレートを25℃以下で保管することにしていて、18℃くらいを理想としているので、北海道だと空調をなるべく使わずに夏場を越すことができます。製造コスト面でのメリットは非常に大きいですね。

ー本社を夕張市とした理由は?

最初の起業が愛知県で、工場も東京や大阪など人口密集地でのビジネスでした。そもそも働き口が多い地域なので、雇用創出という点ではあまり貢献できていないという思いがありました。2度目の起業では、北海道、特に夕張に本社を移すことで、雇用や税金の面で少しでも地域貢献になればと考えたわけです。

ー夕張ならではの商品作りにも積極的ですね。

夕張市で事業を展開している中で、特産の夕張メロンを使った商品はずっとやりたいなと思っていました。メロン果汁自体もけっこう希少なので、商品化がなかなか難しくて。JAさんとしっかりお話しさせていただいて、メロン果汁を分けていただけることになったので、そこからチョコレートやゼリーに使い始めました。

ー北海道に本社をおいて実感したことは?

北海道には、いい材料を使って美味しくて、しかも価格もお手頃というお菓子屋さんが多いので、北海道のスイーツというだけで興味を示してくれるお客様も多いですよね。その中で認められる存在になることが今の課題です。うちも海外展開をしていますが、世界的にも北海道は有名なので、北海道の企業でなかったとしたら、もっと苦戦したのではないかと思っています。

ー地域のサポートはありましたか?

夕張市長を中心にPRをお手伝いいただいたり、農協さんや農家さんも商品を宣伝してくださったり、売り場のあっせんなど、全面的に応援してくださいました。あとは、空港の売店さんも私たちの活動に共感して、商品を扱ってくれています。おかげさまで、CACAOCATの夕張メロン味は北海道エリアで特に大人気で、定番の人気商品になってきています。

ー北海道でデメリットを感じることは?

配送にコストと時間がかかることですね。たとえば、個人宅へチョコレートを出荷する場合は、どうしても中1日必要ですし、送料も多少高くなります。それくらいですかね。もともと、お菓子の中でチョコレートは配送比率が低いので、そこは吸収できる範囲なので。うちに関してはメリットの方がはるかに大きいです。

ー今後の展開やビジョンを教えてください。

この3年間はチョコレートに注力してきましたが、その軸も成長させながら、他のスイーツにも幅を広げていこうと思っています。具体的には焼き菓子やベーカリー、あとはアイスクリームなどですね。チョコレートに関しては、職人が手作りした高価格帯のプレミアム商品で、世界で勝負してみたいと考えています。

Profile

株式会社DADACA
代表取締役CEO

田島 慎也さん

全国に「ねこねこ食パン」「ハートブレッド アンティーク」「パステル」等のベーカリー&パティスリーを展開する(株)オールハーツ・カンパニー創業者。
「ねこねこ食パン」「マジカルチョコリング」など数々のヒット商品を開発してきました。
2020年12月同社を売却とともに代表取締役社長を退任。
グローバルチョコレートメーカーを目指し、2020年11月11日(株)DADACAを設立。

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