再生可能エネルギーや
冷涼な気候の利活用
北海道は太陽光や風力、バイオマス、地熱、石炭といった多様なエネルギー源が豊富に賦存し、とりわけ新エネルギーの活用に向けては全国随一の可能性があります。
北海道では、風況に恵まれた日本海側を中心に風力発電の導入が進んでいます。2019年3月末では設置基数346基、設備容量約52万1,145キロワットと、日本有数の風力発電先進地となっています。
発電段階でCO2を発生しない太陽光発電は、低炭素型社会実現の切り札として期待されています。公共施設や住宅などで導入されているほか、恵まれた日射量や広大な土地を活かしたメガソーラーの立地も道内で進んでいます。
冬の雪や氷を夏まで保存して冷房や冷蔵に利活用する「雪氷冷熱エネルギー」は、道内各地で広く導入されています。また、寒冷な外気を直接熱交換に利用し、冷凍機を稼働させずに冷水をつくる「フリークーリング」は、特に冬期も冷房が必要な施設で大きな省エネルギー効果が期待できます。こうした冷涼な気候を活かしたエネルギーは、製品・機械の冷却や建物内の冷房などのコスト削減につながるだけでなく、カーボンニュートラルの実現にも貢献することから、工場などでの利活用が期待されています。
①熱交換冷水循環方式
熱交換器の一次側に融解水又は雪で冷やされた不凍液をポンプで循環し、二次側で循環する液体(不凍液など)を冷却する。
②直接熱交換冷風循環方式
送風機を用いて、冷熱を供給する貯雪氷装置と、冷却の対象となる貯蔵庫や室内の間で空気を循環させる。
③自然対流方式(雪室・氷室)
送風機を用いて、冷熱を供給する貯雪氷装置と、冷却の対象となる貯蔵庫や室内の間で空気を循環させる。
本州と比べて夏日・真夏日の日数が少なく、湿度も低い北海道では、冷房エネルギーを抑えることができます。特に、機器発熱が大きい製造業やデータセンター等では、年間を通じた冷房エネルギーの削減効果は非常に顕著です。また、建物の断熱化が進み、冬の暖房エネルギーも従来に比べて抑えられるようになっています。
(注)
・ 10,000㎡規模の工場を想定(空調面積率70%) ※2013年1月計算した結果
・ 断熱性能は、本州においても北海道と同等の50mm程度の断熱として計算しているため、本州の各都市での暖房負荷は小さめの値となっている。したがって、本州で通常用いられているような低断熱の仕様とすると、本州の都市の暖房負荷はもっと大きな値となる
・ 機器発熱等の大きい業種では、図よりも暖房負荷は減少し、冷房負荷は増加となる
※あくまで試算の一例です。
(出典:北海道電力㈱)